今回はデッドヘッドというCAの仕事内容についてです。
皆さん、デッドヘッド(Dead Head)って聞いたことありますか?
もし機内で座席に座って休んでいるCAを見かけたことがある方、そのCAはデッドヘッド中だったかもしれません!
デッドヘッドとは何か?、DHクルーとしての私の実体験など詳しく紹介していきます。
デッドヘッドとは?
CAはベース地からではなく他の就航地から発着する便に乗務することがあります。
そのためベース地から他の就航地に移動するために、乗客として搭乗することを「デッドヘッド(Dead Head)」と言います。
日本の国内線が分かりやすいと思いますが、通常は羽田や成田をベースとしているCAやパイロットでも、例えばイレギュラーで羽田→大阪に飛んでから「大阪→新千歳」の区間を乗務することもあります。
「羽田→大阪」間はお客様と一緒に座席に座って移動するだけで、CAとして働いている訳ではないので乗務員としての頭数に入っていない=つまりデッドヘッド(Dead Head)となります。
移動は自社便に乗って移動することがほとんどですが、状況によってはグループ会社やアライアンス提携を結んでいる航空会社に乗ることもあります。
デッドヘッドのCAは何をするの?
航空会社ごとに細かいルール等ありますが、お客様と同じように機内で過ごしています。
中でも次に乗務するフライトで使う体力を蓄えるために体を休める、睡眠を取るよう心掛けるCAがほとんどです。
国際線では機内サービスを体験できる貴重な機会でもあるので、機内で上映されている映画やゲームなどを体験するクルーもいますよ!
楽しめる部分も多いですが、何かトラブルがあった際にはいつでも手助けできるように、緊張感を持って座っています。
また服装ですが、お客様に対して混乱を与えないため、制服を着用しないか、または制服の上にカーディガンなどを羽織って制服を隠していることが多いです。
デッドヘッド業務が発生する理由
なぜデッドヘッド=移動業務をするクルーが必要になるのか、いくつか状況があるので詳しく説明していきます。
欠員対応のため
まず一番多いのは、体調不良などで欠員などが出た場合に対応するためです。
飛行機は機材によってそれぞれ乗務員の最低人数が決まっています。
急な体調不良で乗務できない人が出て欠員状態になると飛行機を出発させることはできません。
ベース地で欠員が出た場合はスタンバイクルーをすぐに呼ぶことができますが、他の就航地では人員確保ができません。
そのため代わりのクルーを現地に送り、運航する便に支障が出ないよう調整する必要があります。
その代わりのクルーはデッドヘッドとしてベース地から現地に移動することになります。
機材変更に対応するため
急な機材変更もデッドヘッドクルーが必要になることがあります。
例えばCAの人数が最低8人必要な機材から9人乗りの機材変更になった場合、人員を補うため急遽ベース地からデッドヘッドクルーを現地に送り、運航する便に支障が出ないよう調整する必要があります。
反対に行きは8人乗りで乗務して来たけど、帰りは4人乗りの機材に変更になる場合もあり得ます。
余ったクルーはデッドヘッドでお客様と一緒に座席に座ってベース地に帰ることになります。
新しい就航地からの運航のため
新たな就航地が発足した場合もデッドヘッドが必要なことがあります。
例えばANAが羽田ートルコ路線を就航予定ですが、
帰りの便トルコー羽田便を乗務するクルーを前もってを現地に送る必要があります。
日本ではまだトルコに就航している航空会社は無いため、アライアンス提携のある他社を利用して第1便のクルーセット(パイロットとCA)はデッドヘッドとして移動するのではないかなと思います!
直近のデッドヘッド業務体験
最近では新型コロナにより、HD業務も増えているようです。
実際に私の経験談ですが、コロナが流行り出した去年の2月に入っていたシンガポールー中国線は規制が厳しくなり、普段なら宿泊する就航地でしたが滞在せずに折り返して帰って来ることがありました。
フライト時間が片道7時間と割と長めだったので、デッドヘッドのクルーを乗せて往復の乗務はせずに片道ずつの乗務。
行きのシンガポール→中国:クルーセット①が乗務、機内にクルーセット②がデッドヘッドとしてが搭乗
帰りの中国→シンガポール:クルーセット②が乗務、中国に滞在せずクルーセット①はデッドヘッドとして帰国
私は行きにデッドヘッド、帰りの便でオペレートクルーとして乗務しました。
最初のシンガポール→中国のフライト中は移動で体を休めることができたとは言え、拘束時間も長くかなり疲れました。
懐かしいです…。
まとめ
いかがでしたか?
様々な事情がありデッドヘッドという移動業務が生じています。
機内で休んでいるCAを見かけることもあるかと思いますが、その後に長いフライト業務が控えている場合もあります!
もし見かけたときは温かく見守って頂けると嬉しいです^^
最後までお読み頂きありがとうございました^^
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